021
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「今日も、来たよ」
会話はない。
ただ、静かである。
僕は、少女のもとへ近づいてゆく。
少女の座っているベッドの縁に背中を預け、僕は地べたに直接座る。
白いベッドは、彼女の領域だ。
腐った僕は、入ることが出来ない。
これが、僕と少女の間にある、一つだけの自戒。
少女は僕にとっての”特別”である。
他方、僕は少女にとっての”特別”ではない。
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