027 back_TOP
廊下を歩いている。
僕はこうしてずっと、一日をあの部屋で過ごしている。
鉄格子の刺さった窓から見える太陽は、既に青色の夕焼けとなって
僕に一日の終わりを告げている。
これから、夜になる。
夜はもう、今日ではない。
夜はなにか、別の世界だ。
僕は腐った悪夢を見ないように、
布団にくるまって、
足の先すら出さず、
布団の作り出す闇のなかで、
ひとり、
眠ることも叶わず、
 
_back next_