025
back_TOP
奇麗だった。
可愛かった。
僕は、本を閉じて、少女を見た。
少女はただ、座っているだけだった。
微笑をたたえた柔らかな唇と、ぐるぐると濁った半開きの両眼が、
いつまでも、僕の視覚を支配したままであった。
_back next_