009
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「おはよう、きみ」
先生は笑って、僕に挨拶をした。
「おはようございます、先生」
僕はどこかぎこちなく、抗議の色を含んだ声色で、そう返した。
先生はにこにこ笑いながら、包帯の巻かれた僕の右腕をとって、言った。
「今日はあまり気分が優れないようだね。紅茶でも淹れようか、どう思う?」
「結構です」
そうかい? と聞き返す先生。
そうです、と断る僕。
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