012
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僕の目は、腐っている。
僕の見る景色は、他の人と違って、腐食して見える。
原因は分からない。
気付いたときにはもう、僕はあの病室に閉じこめられていた。
最初に会った「先生」と名乗る男は、いつも笑みを欠かさない、
ピエロのような気味の悪い人だった。
先生は、ここは僕のようなおかしなものを患ったひとたちが住まう施設だと言った。
施設の名前は"muirotinas"
療養所という意味だそうだ。
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